「ご縁玉」の感想

三池崇史 映画監督

三池崇史 - Wikipedia

 

『ご縁玉』はすごく不思議な映画だよね。ドキュメンタリーなんだけど、作品の中でエリックはエリックを演じ、山田さんは山田さんを演じ、カメラが回っていることによって突き動かされるようにどんどん前に行動していく。エリックを沢山の人に会わせようとホスピスに連れて行ったりね。淡々とモンタージュされていて良い感じでチェロが流れていて、「こう見るべき」という主張はしていないから、観客が自分で作品を紡いでいける。毎朝作品をみてから出勤したらいいよね。エリックも非常に魅力的な男だし。

 

SALYU

http://www.salyu.jp/

 

きょう久々にオフでご縁玉を観てまいりました。江口さんの人生観、また人間という生物の面白さ、また営みの尊さというものを改めて感じ、感動しました... すばらしい作品でした。ありがとうございます。人への愛しさに涙がこぼれる作品でした。 

 

鎌田實 医師/作家  

かまたみのる公式ブログ 八ヶ岳山麓日記


泣いた、泣いた。 何度も、何度も心を揺さぶられた。いい映画である。1115日のNHKニュースで、この映画が紹介された。全国放送のニュースで紹介されるというのもびっくり。それくらいいい映画で、試写をみると、みんなたくさんの人に観てもらいたいと思ってしまうのだろう。映画はドラマチックに展開していく。エリック・マリアは、山田さんの人間性に魅了され、日本を訪問する。次々につながっていく人間のおもしろさ、すごさが、あったかな空気のなかで伝わってくる。山田泉のからだにチェロを置き、ゆったりといやしの音楽を奏でていく光景は圧巻である。どんな人が観ても、ハズレなし。ぜひ、ぜひ観てもらいたい映画である。

 

永田鉄男 撮影監督 フランス在住

Tetsuo NAGATA - Director of Photography

 

日常生活に追われる現代人がわすれかけていた“思いやり”そして“いたわりの心”を監督の江口方康が問いかける。パリに拠点を置くチェロ奏者のエリック,マリア,クチュリエが異国日本で末期癌に苦しむ友人山田泉のため、細い糸を手繰るように”想いの旅路”へと旅立つ。温かい視線でとらえた秀作ドキュメント。

 

土本亜理子 ノンフィクションライター 

昨日、朝日の上野創さんのお計らいで、山田泉さんの講演会場にて、「御縁玉」を拝見しました。講演の後だったことも多少あったと思いますが、(実際の山田さんにお会いしたあと、という意味です)映画、とてもよかった。山田さん一家とチェリストエリックマリアさんの交流だけでなく、エリックマリアさん自身の魂の彷徨と施設の子どもたちのチェロを前にした熱い視線、頭を抱え込む姿、そしてホスピスの方々の聞き入るさま…。胸を打つものが重層的迫り、静かながら圧倒的な迫力がありました。全体に抑制の効いた創意が感じられ、それが逆に、詩の世界のような奥行きの深さを感じました。

 

日爪ノブキ 帽子デザイナー フランス在住 

物欲時代の末期を迎えている昨今、この作品との出会いは一筋の希望の光だった。

人間としての本当の意味での勇気、力強さ。

自分にとって生きる事とはどういう事か?その答えがそこにはあった。

 

溝口肇 チェリスト 

偶然の出会いであったことが必然となり、また偶然を呼び必然となっていく。そしてそこには大きな運命のようなものがあり、淡々と映し出される映像は言葉がほとんど通じないのに、心からの信頼、友情が映し出されます。言葉にするとなんだか陳腐ですが、大きな大きな「愛」なのです。チェリストのエリック・マリアもベトナムの孤児で、風貌もすごく懐かしい感じがします。そして「いのちの授業」という活動をしてきた山田泉さんが主演です。ドキュメンタリーですから、主演というのは何だか変ですが、彼女の生き様もとても心に残るものがあります。ドキュメンタリーはちょっと、というかた、たくさんいらっしゃると思いますが、是非、チャンスがあったら観てくださいね。

 

梅田宏明 コンテンポラリーダンサー 

僕の安っぽい言葉では表現できませんが、上映中何度も胸が押しつぶされそうな思いになった。ただ良いドキュメンタリーだと簡単に言えない何かがありました。このドキュメンタリー映画には、抱えきれないほど多くのメッセージが詰め込まれていたように感じた。ぜひ多くの人々に見てもらいたい。